トップページ  >   世界自然遺産候補地

世界自然遺産候補地

はじめに

 小笠原村にとって、恵まれた自然環境は最も価値のある資源であり、大切な財産です。小笠原村では、その素晴らしさ、自然の豊かさを効果的にアピールし、守っていくために、世界自然遺産の登録を推進してきました。その結果、小笠原諸島は、今後の世界自然遺産の登録に向けて、平成19年1月、日本政府からユネスコ世界遺産センターに「暫定リスト」が提出されました。
  「暫定リスト」とは、世界遺産登録のため、国が将来推薦しようとしている候補地のリストです。今後、専門家による科学委員会や関係機関による地域連絡会議で外来種対策等の管理計画等を検討し登録推薦を目指すことになります。
  大陸から遠く隔たれてきた小笠原諸島の島々には、大陸形成の歴史を刻んだダイナミックな風景が広がり、特異な進化を遂げた生き物たちであふれています。小笠原諸島は、類い希な自然が息づく、人類の貴重な宝です。私たちは、この貴重な小笠原諸島を、世界の自然遺産として後の世まで守り伝えていく必要があるのです。

父島 母島
父島空撮 母島空撮

世界遺産とは?

地球上には、様々な生き物を育み、優れた景観を有した自然があり、また、人類が現在に至るまで築いてきた文明や文化を物語る優れた建築物、遺跡などの文化財が残されています。世界遺産とは、このような貴重な自然や文化財を「人類共通の貴重な財産」として、次の世代へ引き継いでいくことを目的に「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条例」(世界遺産条例)に基づきユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産リストに登録されてたものを言います。
  2007年7月現在、文化遺産660件、自然遺産166件、複合遺産25件 計851件が登録されています。

世界遺産

世界自然遺産に登録されるためには?

 世界自然遺産に登録されるためには、4つあるクライテリア(評価基準)のうち、1つ以上に合致することが必要で、世界的に見て類い希な価値を有し、その評価される価値が法的措置等により十分保護、保全されていること、管理計画を有すること等の条件を満たすことが必要です。

クライテリア(評価基準)

評価基準

小笠原諸島の何が「暫定リスト」に挙げられたのか?

 小笠原諸島は、4つのクライテリアのうち「地形地質」、「生態系」、「生物多様性」の3つが合致しうるとされ「暫定リスト」に挙げられています。

『小笠原諸島の地形・地質』
  小笠原諸島は、無人岩(むにんがん)と呼ばれる特殊な岩石が大規模に見られることです。無人岩とは、世界で最初に小笠原で発見されたもので、英語でボニナイトといいますが、この単語も小笠原の江戸時代の呼称である無人島(ぶにんじま)から名づけられたものです。無人岩(むにんがん)は特殊な安山岩の一種ですが、宇宙から飛んでくる隕石には多く含まれるものの、地球上では無人岩にしか含まれないとても珍しい鉱物(単斜エンスタタイト)を含んでいます。
  小笠原諸島には、海洋性島弧の誕生から成長する姿を観察することができる地球上唯一の場所であるとともに、さらに大陸へと成長する進化の道のりを記録する地球の歴史の顕著な見本なのです。

◎小笠原諸島誕生の経緯
4,800-4,500万年前:父島列島の海底火山活動

4,800万年前、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが沈み込みを始めました。
沈み込み始めて間もないプレート下のマントルはまだ高温です。そこに沈み込んだプレートから水が供給されたため、融点が下がり、通常よりも浅い部分のマントルが広範囲にわたって溶け出しました。
そのとき発生した特異なマグマが無人岩(ボニナイト)となりました。このマグマが引き起こす海底火山活動は4,500万年前まで続き、やがて父島列島及び聟島列島が誕生しました。

4,400万年前:母島列島の火山活動

冷たいプレートの沈み込みが進むにつれて、マントルの温度も下がり、4,400万年前になるとより深い部分でマグマが溶け出しました。
発生するマグマも性質を変化させ、ボニナイトに変わって玄武岩マグマが発生しました。
この火山活動により、母島列島が誕生しました。

現在:火山(硫黄)列島の活動

その後もプレートの沈み込みは続き、現在も進行しています。その間にマグマが発生する場所はさらに海溝から離れ、火山活動地域は西側に移動しました。
それがやがて現在も活発に活動している火山(硫黄)列島となりました。

『小笠原諸島の生態系』

小笠原諸島は、島の誕生以来一度も大陸と陸続きとなったことがない海洋島のため、偶然たどり着き、定着した生物が多く生息・生育し、南米エクアドルのガラパゴス諸島のような、島独自の特殊な生態系が形作られています。

◎陸産貝類

小笠原の陸産貝類は、現在までに100種近くが確認されており、それら貝類の90%以上が、小笠原にしか生息しない固有種です。特にカタマイマイ属は、生活形態が種ごとに異なるため、姿形に影響しています。化石種を含めると小笠原のカタマイマイは27種にも分化しており、現在も進行中の進化過程を見ることができます。
2007年6月に行われた南硫黄島の調査でも4種類の新種と思われる貝類が発見されました。

◎乾性低木林

兄島や父島東平などには、樹高の低い木、いわゆる乾性低木林が広く分布しており、この林の中には、小笠原諸島の固有種を数多く含む独自の生態系を形成しています。この乾性低木林は、東南アジアや沖縄の照葉樹林の構成種に近縁の固有種が見られることから、照葉樹林の構成種が、海洋島である小笠原諸島に運ばれた後、乾燥した気候にあうよう適応進化したものと考えられています。

  兄島の乾性低木林

『小笠原諸島の生物多様性』

 小笠原諸島は、多様な起源の種が混在しているのが特徴であり、植物では、オセアニア系、東南アジア系、本州系などが知られています。それらが独自の進化を遂げた結果、小さな海洋島でありながら種数が多く、固有種率も高いことが上げられます。陸産貝類では約90%、乾性低木林を構成する木本植物では約8割が小笠原諸島固有な種となっています。オガサワラオオコウモリ、アカガシラカラスバトは国の天然記念物に、メグロは特別天然記念物に指定されています。これらやシマアカネなどあわせて57種の動植物がIUCN(国際自然保護連合)が作成したレッドリストに記載されている世界的にも希少性の高い動物です。
 また、小笠原諸島はクロアシアホウドリやコアホウドリなど広域を移動する海鳥類の重要な繁殖地ともなっています。鳥島に生息するアホウドリを聟島に生息地を移す取り組みも進められています。

メグロ オガサワラオオコウモリ アカガシラカラスバト
メグロ オガサワラオオコウモリ アカガシラカラスバト

世界自然遺産の登録にむけて

 小笠原諸島には独自の進化を遂げた固有の動植物種が多く、海洋島独自の特異な生態系が形作られています。しかし、近年においてはノヤギ、グリーンアノール、アカギなど外来種の定着・分布拡大等による生態系へ影響がみられます。環境賞や林野庁をはじめとする国の機関や東京都、小笠原村では、この貴重な小笠原諸島の自然を守るために島民やNPOの方々の協力を得ながら固有の動植物に影響を与える外来種の駆除や固有種の保護など様々な取り組みを行っています。

グリーンアノール モクマオウ ニューギニヤヤリガタリクウズムシ
グリーンアノール モクマオウ ニューギニヤ
ヤリガタリクウズムシ

このサイト制作にあたり、東京都環境局平成19年8月発行
小笠原諸島の自然「長い時が育んだ進化の道のり」-世界自然遺産登録に向けて-
から内容等を引用させていただいております。

返還40周年について
お知らせ
イベント情報
小笠原諸島の歴史
小笠原諸島の文化
世界自然遺産候補地
観光情報
お祝いメッセージ
フォトギャラリー
事務局の独り言