小笠原諸島の父島を訪問したのは返還35周年記念行事の一つで、「開運!なんでも鑑定団小笠原出張大会」の収録をしたときのことです。その年の本州は冷夏で太陽のささない毎日が続いていました。ところが小笠原諸島は快晴で真っ青な海と輝く太陽で、心が晴れ晴れとしたことを覚えています。
海上自衛隊のホールで開かれたテレビ収録は大盛況でした。鑑定を依頼されたお宝の中で強く印象に残ったものは「ペリー艦隊が打ち込んだ艦砲の弾丸」でした。いまからおよそ150年昔に江戸湾を目指した艦隊が父島めがけて試射した鉄球で、つい昨日のことのように思い出されます。
出張鑑定の場合、大切なことは地元を物語るお宝の出場です。値段の高い安いではなくエピソードが欲しいのです。この鉄の弾丸は、まさに小笠原の歴史を語るものでした。
丁度8月のお盆祭りで、日が落ちてからの公園で盆踊りが始まりました。無事収録を終えた私たちは浴衣に着替えて、はしゃぐようにして会場へ急ぎました。島のみなさんと輪になって踊った小笠原音頭に夜の更けるのも忘れたのです。「結構まっこう小笠原」の歌声に、団扇をかざして櫓太鼓を巡りました。
返還40周年を迎えた小笠原諸島のみなさんの喜びが、はるか黒潮の彼方から私の心に響いてきます。できることならすぐにでも小笠原へもう一度行きたいのです。美味しいお魚をご馳走になり、涼しい浜辺の公園で皆さんの輪に加わり小笠原音頭を踊りたい。「結構まっこう小笠原」のしらべは、耳にいつまでも残って忘れることがありません。 |
| 中島誠之助 |
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