小笠原諸島が返還され、40周年を迎えるんですね。心からお祝い申し上げます。
返還直後の小笠原を訪れたのは、水中写真家を志して2年目のことでした。以来、数十回ほど取材で訪れています。
私の写真家生命は、小笠原の返還とともに歩んできたようにも思われます。写真家として、よちよち歩きを始めた私にとって、小笠原の海はその後の私の進路を決定づけるほどの、圧倒的な迫力と美しさを秘めていました。
また、見たこともない藍色の海の青さに度肝を抜かされ、群れ泳ぐ魚影に夢中でシャッターを切ったことを懐かしく思い出されます。
水中撮影を終えたある日、数人のスタッフたちと山へ出かけたことがあります。このとき、現地のナチュラリスト・ガイドが同行してくれましたが、ガイドの案内により、小笠原には実に多くの固有種が存在することを知らされました。
ナチュナリスト・ガイドの話に耳を傾けながら、小笠原は海も山も手付かずの大自然が残されているんだなあと、実感したものです。
あれから何年も経過しますが、小笠原諸島の現実はどうなのか、とても気になるところです。サンゴには温暖化による白化現象が見受けられ、山の植生も外来種に脅かされているという、様々な情報が耳に入ります。
本家のガラパゴス諸島が、世界危機遺産の第1号に認定されましたが、小笠原諸島は、決して同じような道をたどらないようにと、私は願うばかりです。 |
| 水中写真家 中村征夫 |
|