この度は、小笠原諸島返還40周年、おめでとうございます。
私は落語を演ることを生業としておりますが、ひと口に「落語を演る」と申しましてもその理由は様々あります。
しかし、結局突き詰めれば「人と出会うために落語を演っているのだと思います。ですから、またこうして小笠原の皆さんにお目にかかることが出来、大変嬉しく思います。
その落語を縁として、竹芝桟橋から25時間30分、本州から遥か1,000キロの小笠原諸島へ、私がまいりましたのは平成18年11月半ばの事。お話をいただいただけでワクワクするような仕事・・・と云うか、旅でした。
出港翌日、あくまで碧い海と、そこへ浮かぶ緑濃き島影を目にしたときは感動とともに、落語と云う、人間の極々チマチマしたところを描く芸が、この自然の満々中で生活する方々に通用するのだろうか、という不安でした。
ところが、それは全く杞憂で、むしろ島での生活は落語に出てくる生活観に近いのではないかと思うのです。これは、縁者としては少し困ったことですが、島の自然、海、太陽、星空のなかにいる小さな自分を感じると「あぁ、落語なんて、間違っても、ウケなくてもなんてことないや」なんて、思ってしまいました。
実際、東京に帰り、すぐに「なんてことなくない」ような目に遭いました。
これからも、次の50年、60年、70年と、島の歴史そのものが平和の歴史となりますようお祈り申し上げます。 |
| 三遊亭 司 |
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